コンピュータ技術によって安全を向上させる機能安全規格の普及をはかります。


SILとPL


カテゴリー1のPFH

カテゴリー1のPFH


 IEC 61508では4段階の安全度水準(SIL;Safety Integrity Level)を安全関連系の性能尺度として使用しますが、ISOで制定された機械類の安全規格ISO 13849-1では、5段階のパーフォーマンスレベル(PL;Performance Level)が使用されています。


  

 SILはPFHだけで決定されるわけではありません。SILを満足するためには、ランダムハードウェアのインテグリティーに加えて決定論的なインテグリティーなども満足する必要が有ります。このため、SILの要求を考慮しないで、PLを満足することを先行させた設計プロセスは、必ずしも好ましいものではありません。


   

 PLは規定アーキテクチュア(カテゴリーB,1,2,3,4)毎に、診断率やMTTFによって簡易法によって決定します。また、添付表K.1には、マルコフモデルによる計算結果が掲載されており、これが簡易法のベースとなっています。しかし、実際の設計は簡易法によって求められる条件と同じでしょうか。規格のユーザーは、簡易法を使用するにあたって実際の設計と対応しているかどうかを、事前に把握しておくことが必要です。しかし、ベースとなったマルコフ解析の条件は必ずしも明確ではありません。


 図は、カテゴリー1のシステムにおいて、弊社でマルコフモデルを試みに作成してPFHを試算したものです。様々なパラメータで結果は異なることを示しています。このような知見が、簡易法を定めた背景にあり、また、一部は、IEC 61508においても知見が反映されています。今後は、ますます、マルコフモデルによって安全装置の解析を行う必要性が増加すると思います。弊社では、このようなマルコフモデルについても、教育や教育ソフトウェア開発を行っていますのでご利用下さい。


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